長引くCOVID-19の影響で我が家も気が付けば3年以上日本へ一時帰国していません。子供の成長は早いので3年もすれば随分背も高くなって、日本に住んでいる家族や親戚にも早く会わせてあげたいし、私たち親もそろそろ一時帰国したいモードで気持ちがいっぱいです。
そんな中、一時帰国の計画を夫婦で話し合っていた時に、ある事で深い話になったので、その内容をブログに残しておこうと思いました。
海外で生まれ育った我が子。両親が日本人の子供のアイデンティー
- 見た目はコテコテのアジア人。
- 同い年の日本人の小学生より日本語のレベルが低い。
- 同年代の従兄弟たちから「日本語へんやぞ?」と言われるだろう。
- 親は親戚たちと一緒に、都度正しい日本語を息子に教えてあげるべき?
- バイリンガル教育と子供のアイデンティティを考えみる。
見た目はコテコテの日本人
オーストラリアで生活をしていると「本当にこの国は多民族国家だな〜」とつくづく感じます。子供のクラスメイトだけでもオーストラリアはもちろん、ヨーロッパ系、アフリカ系、アジア系とその地域から複数の国々の移民の子供たちで形成されていたりします。2021の国税調査では人口の約22%は自宅での会話が英語以外の言語となっています。
なので様相が違うのは当たり前で、子供たちもこの国で生まれて育って学校に通い始めても、その違いに違和感を感じる事はありませんし、当然日常の一部です。我が子もお友達とは学校で英語で話をしていますが、話を聞いていると例えば「〇〇くんはイタリア語を話すんだ」と言ったくらいに違いを感じてる程度です。違って当たりまえ。親しい友達以外からは我が子はアジアのどこかの国から。と思われているんだろうと思います。
同い年の日本人の小学生より日本語のレベルは低い。
両親が日本人で、子供は生まれた時から家庭では日本語で会話をしています。「せっかく海外に住んでいるので、子供には積極的に英語を話してもらおう。」と思うかもしれませんが、私たち両親としては「どうやって日本語を学んでもらおうか・・・。」と必死な思いです。
息子は小学校低学年にあたりますが、まず英語のレベルは周りのお友達に比べて低いと思います。ただこれはこれから成長するに連れて本人が自然と学んで行くと思っています。もちろん語彙力や筆記に関してはどの言語かどうかに関わらず、本人の学習によるところが大きいと思います。
日本語に関しては明らかに日本に住む同年代の子どもたちに比べると低いレベル間違いなしです。これはしょうがないです。本人が普段の生活で日本語に触れる機会は基本的に家族かYouTubeくらいです。なので最近は単語の使い方やイントネーションがヘンな事がありますが、時々正しい使い方を“やさしく”教えてあげるようにしています(笑)。
同年代の従兄弟たちから「日本語へんやぞ?」と言われるだろう。
この状態でこれから日本に帰国すると何が起こると想像できるでしょうか。この件について私たち夫婦が一時帰国を前にあれこれ想像してみました。
オーストラリアに住む従兄弟の一時帰国を楽しみにしている家族がいるのですが、少し会話しただけで、日本語が少しヘンだと気が付く事でしょう。息子は事実、日本で生活してないので、何気ない日常会話であっても知らない言葉や言い回しが出てくると思います。ハッキリとわからない単語がある場合よりタチが悪いのは間違った単語やイントネーションなどで話をした時に「日本語なんかヘンやぞ!?」と言われる事があるのではないかと。
本人はがんばって自分の持つ日本語の中から一生懸命話をしようとがんばると思います。それは普段、私たち親に話しかけようとしている時にも時々感じる事ができます。本人の中には「お父さんとお母さんは日本語だから、話をする時は日本語の方が心地よく感じるんだ。」と息子なりに感じているようです。一生懸命日本語で話そうとしている時がありますし、また本人の優しさもそういう気持ちにさせているんだと思います。
親は親戚たちと一緒に、都度正しい日本語を息子に教えてあげるべき?
ここで親戚の同年代の従兄弟たちやその両親がもし息子に対し、悪気がなくても「日本語、なんかヘンじゃない?」と言ってしまった場合、私たち両親はどうリアクションすべきか?というところで議論になりました。
おそらくこれがまったく見も知らずの他人から言われたなら、気にする事ないし、私たち両親も「誰もあなたがオーストラリアで生まれ育ったなんて知らないから気にする事なんてないよ。」と一言で済ませる事ができると思います。(おそらく)
その上で訂正して教えてあげられる事でしょう。
ところがもし指摘が身内や同年代の従兄弟たちだと、どうでしょうか。悪気はなくても笑いながら「ヘンやぞ!」なんて場面で、私たち両親が一緒になって薄笑いでもしながら、都度訂正できるのか?と、少し疑問に思いました。
息子の気持ちになれば、慣れない異国で、日本語の語彙力が少ない中からがんばって話そうとしていると思います。本人だっておそらく自分は完璧じゃないと何処かで感じてるはず。そこに両親が親戚なんかと一緒になって、毎回訂正してたら、ストレスになって話すのが嫌になるのではと思います。「オーストラリアに帰りたい!」なんて言い出すかも。
なので私たち両親だけは冷静になり、息子の顔色を見ながら「大丈夫だよ」と励ましてあげようと思いました。その上で訂正できそうなその場の空気であれば、笑ったりせずに丁寧に教えてあげよう。そうしようという話になりました。
バイリンガル教育と子供のアイデンティティを考えみる。
このやって話をしていく中で、我が子のアイデンティティって何処にあるのだろうね。なんて話をしました。
アイデンティティというのは何処に属しているという意識的な話だと思うのですが、我が子はこれからますます英語が上達していき、英語が母国語となると思います。
多民族国家なオーストラリアで生活をしていても他者から見れば見た目は何処かのアジア人系オーストラリアに“分類”されるのだと思います。日本に一時帰国した時は見た目は日本人ですから黙っていれば日本人という属性なんだと思いますが、少し話をすればおそらく周りの人は「何か違う?」と感じると思います。いったい何処に属するのだろうという話に・・・。
こんな話をしていて、以前読んだブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」という本を思い出しました。その中に“母ちゃんの国にて”という話があるのですが、イギリスで生活している男の子がお母さんの母国、日本へ帰省する話です。
我が家は両親共に日本人なので少し状況が違いますが、日本へ帰国した時に飲み屋で見知らぬおじさんから、どうして日本語を話さない?とか、なんで両親はちゃんと日本語を教えなかったのか?なんて絡まれるという。
本の中の話と思いきや、コレはこれから私たちに起こりそうなものすごくリアルな話に思えてきました。
一時帰国は少し先ですが、今は子供も親も「帰国したら何処に行こうか!? なに食べる!?」なんて話で盛り上がっています。両親は日本が楽しい所でいい思い出がたくさん作れるような帰国にしてあげたいと思っています。
無理して日本語を学ぶように押し付けようとは思っていませんが、日本でいい思い出作りができれば、自ら日本語や日本に関連する事にも関心を持ち続けてもらえるかなと思ったのでした。
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