久しぶりの読書感想です。
Amazon Japanで文庫版を購入してオーストラリアへ送付。久しぶりに紙で読書しました😊
この本は意思がもたらす行動について心理学や神経科学をもとに書かれた本で、そのパターンを理解することで自己コントロールをして人生を変えようという本です。
読み終わった感想は、評判どおりとても有益な本でした!
全10章でどの章も読みごたえがありますが、第5章「脳が大きなウソをつく」が面白かったので、ちょっとその部分について書いてみます。
それはドーパミンの話です。
我が家は小学校に通う子供が2人います。この年になると毎日タブレットでゲームやYouTubeの動画に時間を費やしています。オーストラリアの生活あるあるなのか現代特有なのか、学校から帰ってきて近所の友達と外で暗くなるまで遊ぶなんてことはありません。親が何も言わないと何時間もやりっぱなしです。
でもこれって実は子供だけの問題じゃないと思いませんか? お子様を持つ親かどうかは関係なく、気が付けば大人も1日に何時間もスマホを触ったり、寝る前にSNSを見まくったりして睡眠に影響を及ぼしてたりしません?
ドーパミンとは脳の神経伝達物質のひとつで、脳の中でも原始的なモチベーションのシステムで、行動と消費を促進するために発達したものだったのだそうです。
「どういうこと?」
幸せを予感させるように行動を起こさせることなんだそうです。つまり欲望に満ちた行動に駆り立てるということです。ですがその行動が幸せをもたらすという保証はないと。
ここ数年、神経科学者の間では「ドーパミンで頭の中がいっぱいになり、欲望に駆り立てられた状態ではほとんど興奮状態になっている。」ということが知られているようです。
そういった興奮状態がスマホやタブレットでSNSなどを永遠と見てしまう現象でもあるようです。
何時間も時間を費やした後に虚しくなるのはドーパミンに支配され、そして結果なにも残ってなかった。。。みたいな。そんな経験ありますよね?
人はドーパミンが大量に放出されると、欲しくなった物を何が何でも手に入れなければ気がすまなくなります。ドーパミンの働きで注意力はすべてそこへ向けられ、それを手に入れること、あるいは繰り返し行うことしか考えられなくなってしまうのです。
だたこのドーパミンも太古の昔は人類が生存する上で必要だった訳です。幸せを予感させる行動を取ることで、狩猟行動を行ったり繁殖動向を行うような行動に仕向けられていたと。
でも現代社会においてドーパミンで頭の中がいっぱいになったまま行動してると、いくらでも食べ過ぎるはゲームやSNSにはハマってしまうわと、とんでもないことになってしまうのです。
ここを読んでなるほどぉ~!そうだったのか!って。
そして視点を変えてみると、現代のテクノロジーや企業などはこのドーパミンの作用を逆手に取って、お客様を誘導するという戦略だとか。「え~っ!騙されてた感じ!?もしかして?」ってこと。すごくないですか?
しかも視覚だけでなく嗅覚によっても引き起こされるらしく、それこそ甘い匂いのする方向に引き寄せられ・・・なんてこともあるんだそうです。詳しくは本書を手に取って読んでみてください。とても面白い内容になっています。
ここだけでもドーパミンの役割をしっかりと認識していれば、自分が欲望に駆り立てられて何かをほしいと感じる気持ちに不安やストレスを感じているなら、そこで踏みとどまることができるかもしれませんよね。
私は寝る前にYouTube動画を見る癖があって、気がつけば寝る時間をとっくにオーバーしてて、朝起きるのがしんどい。なんて経験を何度も繰り返していました。この本を読んで自分を俯瞰することが少しでもできるようになって、動画を次々を探し始めたら「ダメダメ・・・寝よう😌」という事を今、少しづつですがやり始めています。
半年前くらいからマインドフルネスにチャレンジしていて、いつも始める時に呼吸を整えるのですが、この本の第2章「意志力の本能」というところで呼吸の話がでてきます。
1分間に呼吸の回数を4回から6回くらいにすると脳をストレス状態から自制心を発揮できる状態に切り替えるとあります。
スマホを置いて寝ようとしてもすぐには寝付けないのですが、鼻から大きく息を吸って、6秒~8秒くらい止めます。それからゆっくり口から息を吐く。
これを数回ベットの中で繰り返すと、あら不思議!?気がついたら・・・というより気が付かないうちに寝落ちしてます😄
なかなか寝れないという方はやってみてください。
ドーパミンの働きは報酬を追い求めることで、その報酬が期待外れだったとしてもやめることはしないようです。
他には「食べ過ぎで後悔」なんてのも同様で、誰でも経験があるのではないでしょうか。食べ過ぎで後悔するのですが、その時は目の前にある美味しそうなケーキをついつい食べてしまう。あるあるですよね。これもドーパンミンの働きにより脳が支配されていたのかもしれません。
本書にはここ数年の研究で証明された事項など、詳しいことが書かれてあるので興味のある方、またドーパミンの罠についつい引っかかってしまってる。なんて方はぜひ手に取って読んでみてはいかがでしょうか? ものすごい有益な1冊です!
自分が行動した結果、後悔を繰り返しているなら、欲望によるストレスだと認識してドーパミンの罠に引っかからないように冷静になってみましょう。
そして欲望じたいは悪い物ではなく、その欲望によってもたらされるものが自分にプラスであればいい訳です。とは言うもののなかなかそこを見極めるのって難しいですよね。私もまだ本書を読み返したりしている所です。
ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。
私の住んでいるオーストラリアは自然が沢山あって、自宅の周りを散歩するだけでも雨上がりなんかはユーカリの匂いに包まれたりと、とても恵まれた環境にいます。時々自分の状況をふり返り、自宅にこもったりテレビやスマホに明け暮れるのではなく、外にでて頭も心もリラックスさせようと、そんな気持ちになりました。
おまけ
実はこの記事、書き始めてから完成するまで何日か要してたのですが、毎日連続して書き続けてる訳でもなく・・・。そうしてる間にYouTubeで「ドーパミン・デトックス」という動画を見ました。(これも普段からスマホで見たり検索してる行動からおすすめにUPされてきたのだな😅)
Niklas ChristlというYouTuberの動画で
「DOPAMINE DETOX | How To Take Back Control Over Your Life」
というタイトルです。日本語字幕で見ることもできると思いますので、ぜひ参考にしてみください。
7日間のドーパミン・デトックス、これは相当ハードル高そう。でもやってみたい気もしますね。